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本に触れる。
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山を歩き、山を描き、山を見つめる。

 

 

山は登るもの、登ることに意味があるものだと思っていました。

上田に暮らすようになり、ふと見渡せば山のある毎日にすっかり慣れた近ごろは、登るだけではない山の楽しみ方を覚えました。

それは自分の足で山を歩き気づくこともあれば、昔から今まで山を歩いてきた人たちが教えてくれることもあります。

今回紹介する畦地梅太郎もわたしにとってそんな一人。

「山の版画家」と呼ばれる畦地さんの絵は、目の前の景色をじっくりと描くものではなく、架空の「山男」をモチーフに山で感じとった記憶や山へ募る想いをのせたものになってゆきました。

そして畦地さんの書く文章も、山の雄大さや美しさばかりではなく、行きずりの人たち、野の生きもの、食べたものの話が多く、ふだんから山を歩く人にも歩くことがない人にも親しみやすく感じられます。

 

山の頂上で、森の木陰で、こたつの中で、電車に乗って、なじみの喫茶店で。

どんなところでも気軽に「山を読む」楽しみを。

 

 

 

 『山の眼玉』

畦地梅太郎(著)、山と渓谷社 (2013/9/20)

posted by 小野村 美郷

都内で新刊書店勤務後、瀬戸内での島暮らしを経て、2017年に上田に引越し。ブックバスや店舗などオフラインでバリューブックスの本と出会える場所の選書を担当。山でも街でもひまさえあれば、野鳥を眺めています。2020年は野生の雷鳥に会いたい。

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