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本に触れる。
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2020-03-13

薫る季節になりました。

 

今年はどこに行ってもあたたかな冬でしたが、それでも一年の中で寒い季節を乗り越えた新しい芽や膨らむつぼみを見つけては、春の訪れを感じます。

 

花びらや葉っぱの色・かたちがみんな違うように、花粉を運んでくれるおめあての虫を誘うために放つ香りもまたそれぞれ。

甘くやさしい香り、つんと刺激的な香り、神経を研ぎ澄まさないと分からないようなほのかな香り。

感じた香りをはっきりとした言葉にあらわすこともむずかしい嗅覚ですが、鼻で花を愉しみたい、そんなときに傍らに置いておきたい1冊を紹介します。

 

このカタログに登場するのはどこかで耳にしたことのある50の花の名前。服部あさ美さんの淡く可憐な絵に添えられるのは、自然観察と文化的な視点の両方から綴られる短いことば。

ページを嗅いでみてもその花の香りが漂う、なんて摩訶不思議なことは起きませんが、その香りを嗅いでみたいという好奇心が湧いてきます。

 

道ばたで見かける花にも、近所の花屋でなにげなく買う花にも、そっと顔を近づけて深呼吸してみたくなりました。

 

 

『フレグラントフラワーカタログ』

服部 あさ美  (著)、 mille books (2019/9/20)

posted by 小野村 美郷

都内で新刊書店勤務後、瀬戸内での島暮らしを経て、2017年に上田に引越し。ブックバスや店舗などオフラインでバリューブックスの本と出会える場所の選書を担当。山でも街でもひまさえあれば、野鳥を眺めています。2020年は野生の雷鳥に会いたい。

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